ホームカミングデイ
2024年10月19日に開催した同窓生と在校生の日2024には150名あまりのGraSPPersが参加し、公共政策大学院創設20周年を記念するとともに親睦を深めました。
開会の辞とご挨拶に続き、藤井総長から創設20周年の祝辞を頂戴するサプライスもありました。これに続くパネルセッション「GraSPPersは、いかにしてグローバルな公共政策に貢献するか?」では、産学官で活躍する同窓生パネリストが、渡辺安虎教授と学生自治会のワノンノ・イクティダルによる進行で、在学中の思い出や修了後のご経験を共有してくださいました。さらに5つの分野別交流会では「国際機関」、「政策立案」、「ビジネスと社会起業」、「研究とイノベーション」、「留学生の日本での就職機会」について意見交換し、同窓生と在校生がネットワークを広げる機会となりました。締め括りとなる懇親会は、20周年記念ケーキカット、歴代院長のご挨拶、さらに学生自治会企画によるGraSPPクイズセッションと続き、同窓生、在校生、教職員が揃って親睦を深めました。
ストリラトナ ニチャハユ Striratna Nityahayu龍岡会会長(2022年度修了)
同窓生の皆様、在校生の皆様、ご指導いただいた先生方、お世話になったスタッフの皆様、同窓会会長のストリラトナ ニチャハユです。2022年度修了生である私は、新型コロナ感染症のピーク時に学んだため、対面で皆さんと交流する機会が限られていました。今日、ホームカミングデイで皆様にお目にかかれたことに感動し、名誉であると感じています。旧友との再会、新しい友人づくりを通じて、公共政策を学んだ者として、より良き社会を実現するとの思いを共有できればと期待します。もちろん、楽しむことを忘れないでください!お食事と飲み物も用意しています。
最後に同窓会長としてお願いです。私やその他の同窓会役員に、同窓会イベントのアイデアなどご提案ください。
(開会の辞より、英語からの抄訳)
下大迫 樹 学生自治会会長 (2024年度入学)
学生自治会会長の下大迫樹です。在校生を代表して、公共政策大学院の創設20周年のお祝いに集まってくださった皆様の前に立つことができ光栄です。創設20周年を記念するホームカミングデイのテーマは、過去20年を振り返ると同時に、これからの20年を見据えることです。この20年間で、GraSPPはGPPN(グローバル公共政策ネットワーク)の一員として、実践的な学びとグローバルな視点を重視した強力なカリキュラムを拡充し、世界有数の公共政策大学院の地位を確立してきました。
しかし、GraSPPの真の強さは、このコミュニティに所属する人たちがお互いに高め合う環境にあると感じています。「積極的に社会貢献する」という理念・ビジョンが私たちを結びつけ、公共政策大学院を未来に向けて前進させ続けているのです。
これからの20年も私たちは新たな世界的課題に直面するでしょう。したがって、公共政策の実務家は、適応と革新を続けなければなりません。後ほどのパネルディスカッションでは、同窓生の皆さんに、このテーマについて語っていただきます。最後に、今日の集まりが、旧友や恩師との再会だけでなく、新しい関係を築き、GraSPPersの共通アイデンティティを強める機会になることを願っています。楽しいひと時をお過ごしください。ありがとうございました。
(開会の辞より、英語からの抄訳)
川口 大司 公共政策大学院院長
同窓生の皆様、在校生の皆様、歴代院長、教職員の皆様、公共政策大学院の創設20周年を記念するホームカミングデイにご参集くださいましたことに感謝申し上げます。この機会に、私からは、これからの20年間の私たちの使命について教職員と議論してきた内容とその背景についてお話いたします。同窓生と在校生とともに、これからの20年の展望を語り合うきっかけとなれば幸いです。
公共政策大学院は、2004年に誕生しました。当時は1学年あたり約100人、ほとんどが日本人でした。しかし、公共政策大学院は国際化を推進し、いまでは学生構成が多様化し、多数の留学生や職業人学生を受け入れています。同時に、過去20年で政策環境は劇的に変化しました。私たちは、国際的な政策環境の変化、そのなかで日本政府の政策立案プロセスも大きく変貌したことを実感しています。2004年の政策立案はボトムアップでした。官僚が大まかなアイデアを提供し、政治家が決定するのです。しかし、いまや役割は逆転したと言っても良いでしょう。政治家がアイデアを提供し、官僚が政策を実行するのです。また、データや科学的証拠の利用可能性が高まり、エビデンスに基づく政策立案がより重要になっています。
高等教育や研究大学を取り巻く環境も変化しました。政府が資源配分を決定する上で国際的な大学ランキングがより重要になり、国際競争力の強化が熾烈になりました。これが、世界中の高等教育を取り巻く環境変化です。研究面では、国際的インパクトのある研究が増加し、研究成果を社会に還元する必要性が高まっています。
これらの変化を踏まえ、今後の20年を構想するためには、公共政策大学院はミッションを再定義する必要があると考え、公共政策大学院のミッション再定義に関する議論を半年以上の時間をかけて教職員とともに行ってきました。
それらの議論の結果、リーダーの教育と影響力のある研究の推進の二つの側面から、公共政策を改善することが公共政策大学院のミッションであるとの結論に至りました。今後、このミッションステートメントの元、カリキュラムや学生選抜の仕組みを改革するべく、ワーキンググループを組織して話し合いを進めています。
以上が公共政策大学院の現在の状況です。今後とも皆様の温かいご支援がいただけるようお願い申し上げます。
藤井輝夫 東京大学総長
公共政策分野の人材育成において本学が最前線に立つよう尽力されているすべての方々に心から敬意を表します。公共政策大学院は、歴代院長、教授陣、スタッフの起業家精神とリーダーシップによって、日本社会のリーダー育成を目指し、2004 年に創設されました。その後も、皆さんのたゆまぬ努力により発展を続け、世界中のリーダー育成に貢献すべく変革を遂げてきました。これまで20 年間の組織変革は驚異的です。同窓生と在校生は貴重な無形資産です。
皆さんには、東京大学が世界最先端の大学となるようご支援とご協力をお願いいたします。公共政策大学院が、これからの20年も、先駆的な教育研究拠点として成功し続けることを祈念いたします。
(祝辞より、英語からの抄訳)
参加者の声とメッセージ
「公共政策大学院らしく、多様なバックグラウンドの関係者の方々が参加しており、多様性がありました。実業・現場と近い立ち位置で、学術の社会への還元、知の創造という役割を果たし、分野横断で公共分野の新領域への貢献を感じました。」
「藤井総長がご参加されたのは嬉しい驚きでした。パネルディスカッションのパネリストとして参加し、先輩・後輩を交えて交流できたのはとても良かったです。」
「多くの方々が集ったので、時間も場所も足りなかったようですが、皆さんの熱気が共有されたのが良かった。ここからが同窓会の新スタートなのかなと思います。」
「自分たちが在籍していた時代から大きく進化しており驚きました。また様々な交流の場が用意されており、対面参加の良さを感じました。」
「大学院の発展を感じた!」
「研究に関心にある学生から色々と質問があって良かった。」
「GraSPP20周年記念年ということもあり、多くの同窓生が参加され良かったです。また、懇親会では歴代の院長先生にご出席いただき、たいへん懐かしく嬉しかったです。」
「GraSPPの修了生と在校生に会える興味深い機会でした。それだけでなく、同窓生のスピーカーや先生方と対面で接す、いろいろなお話ができました。」
「20周年という節目において、このような形で同窓生と在校生、教授陣、そして歴代院長が集い、これからの学校の在り方について真剣に議論する、大変貴重な時間でした。様々な分野でご活躍されている溌剌とした同窓生の方々の姿からは、革新的な力強いエネルギーを感じ、刺激を受けました。 GraSPPの年表を作成されたことも大変素晴らしかったです!」
「就職先が同じ同窓生と繋がり、職場近くの方々とランチのお約束もでき、ネットワークを広げることができました。」
「オーガナイズしてくださった学生さんがとても一生懸命で好感が持てました。また、在学生の方と交流できた点も良かったです。」
橋口めぐみ 公共政策大学院同窓会担当
おめでとうございます。創設から20年で社会は大きく変貌し、時代の流れとともに学生の出身国・分野、修了後の進路も少しずつ変化してきました。人でいえば、子どもが成長して成人として独り立ちする頃になります。社会の様々なフィールドで活躍する多才な修了生が再会の喜びを分かちあう場として、修了年度の異なる方々や在学中つながりのなかった方々との新たな出会いや社会課題の共有・情報交換の場として、修了生の数とともに年々拡大していく多様性に応えるべく、同窓会プラットフォームの確立と自律的な運営を期待します。同窓会担当として、そのための支援に尽力してまいります。また、今後も母校の発展にお力添えいただければ幸いです。
GraSPPの修了生、学生、教職員は、GraSPP同窓会のウェブサイトに登録することができます。このプラットフォームは、世界中のGraSPPコミュニティメンバーをつなぐためにデザインされています。同窓会では、ウェブサイトの更新・強化にご協力いただけるボランティアを歓迎しています。
ご登録はこちらから:https://www.grasppalumni.com/