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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

GraSPPers Voice

理系×公共政策―社会全体の仕組みを捉える

青柳拓人 (from Japan)

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GraSPPに進学したきっかけについて教えてください。

私は建築学科卒業後にGraSPPに進学し、その後埼玉県庁に入庁して、現在は埼玉県の町役場に派遣されております。GraSPPへの進学は、学部の卒業研究、卒論制作が一つのきっかけでした。建築学科の中で建築材料を扱う研究室にいたのですが、生コンの市場がどう動いているのかをシミュレーションしてみる、行動経済学なども含めてシミュレーションしてみたらどうかという研究をしていました。行動経済学に触れる中で、やっぱり経済や、社会全体の仕組みについてもう少し勉強したいという思いを胸にGraSPPに進学しました。

受講した授業の中で印象深い授業などはありますか?

入学当初は国際公共政策コースで入ったのですが、はじめは国際関係や国際法など、理系だった身として非常に興味深い分野だったので勉強していました。授業そのものは面白かったのですが、仕事を考えた上で、公共管理コースに転コースしました。公共管理コースでは、国際公共政策の授業も取りつつ、STIGプログラムの授業を中心的にとっていました。もともと工学系のバックグラウンドなので、親和性のある内容を重視して授業をとっていました。

印象に残っている講義としては、テクノロジーアセスメントという、新しい技術などの一つの技術に対して、その有用性や、危険性、社会的な影響などについて、技術の評価をしてみるといった授業です。私は有用性などの観点は学部で学んで理解していたのですが、それが社会的にどういう影響をするかについて、例えば、私は当時、宇宙ゴミを回収するときにどのような技術で回収できるだろうか?といったテーマで研究しました。宇宙ゴミを燃やすにしても燃えた後の影響がどうなるのか、国際法の観点でどういった問題があるかなど、網羅的な観点で分析したことが、非常に勉強になりました。

入学前に、政治経済も法律も、全体的に学べたらいいなと思っていたのですが、実際に学んだ実現度合いとして120%でした。入学後に、こんな授業もあるのか、と提供科目の領域の広さに驚きました。

大学院で学んだ内容と、理系の内容が合わさって、現在キャリアにどう活かされているのでしょうか。

現在、地方行政に携わっているなかで、 GraSPPで学んだ考え方であったり、何かを捉えるにあたっての観点であったり、かなり抽象的ではあるのですが、そうした部分が、今の仕事に活きているのではないかと思っています。

「工学」は、何かを実現する学問だと常々思っており、それがものであるのか仕組みであるのか、その違いしかないのかなと捉えて、現在仕事をしています。今ある材料で、どういう観点で問題を捉えて、そこに対してどうやってアプローチしていくのかについて、工学系と公共政策の両方の視点で学んだことが、仕事に活きていると思います。

学生へのメッセージをお願いします。

「公共政策」は、行政の道に行くしても民間の道に行くにしても、社会全体を俯瞰して見渡せる分野だと思います。そういった意味では、理系×公共政策の観点で、理系で学んだ後に社会のことを知りたいと思った時に一番、広く知れる、手っ取り早くさまざまなことが知れる点が公共政策の面白さだと思います。

仕事をするにあたって、社会全体を見渡して、どういう仕組みで世の中で動いているのかについて研究するという観点で一度学んでみるのは非常に面白いことだと思いますので、 公共政策の分野にぜひ足を踏み入れていただけたらと思います。

 

 

※本記事は、2024年5月18日に開催した公共政策トーク「理系×公共政策」の登壇内容に基づき編集しております。