医学部公衆衛生学教室のセミナーのご案内です。
趣旨:
我が国の戦後民主主義が開始してから 80 年であるが、世界中で、民主主義のきしみの音が聞
こえている。世の中が複雑化していく中で社会課題も多様化し、様々な場面における意思決定
は、選挙で選ばれたとはいえ少数に任せて良いのか疑問が出ているともいえる。
そこで、私たちの制度は今のままでよいのか?どのように改善していくべきなのか?新たな思
考をもとに道を探ることが必要な時代ではないか、これからの社会をどのように構築していくの
が良いのか、といったことをめぐる様々な試行を知り、その分野の専門家と議論することで、こ
れからの道を見出すことを目標とする。
特に、医療の分野についても問題は山積していて閉塞感が漂っている。主催者の身近な事例と
しては、がん登録の情報提供において、死因の情報というのはどこまで要配慮個人情報として扱
うべきものか、といった合意が存在しないことによるデータ利活用の阻害要因となっている。打
開するための意思決定は、これまでの政府の検討会でよいのか、その根拠は何か、社会・民意は
どこにあるのか。このような問題に対応するため、民主主義を題材にしつつ、社会の意思決定過
程の最適化を探るのが本セミナーの目的である。
まずは、講義シリーズで各活動の専門家を招聘して 5~7 回の講義・討論を行い、その後、実
践的な活動が可能か、などを模索していく。
対象者:本学の医学部、法学部など、医学系、政策系の院生・学部生
トピック(予定):
・ロトクラシー(くじ引き民主主義)の可能性
・ミニ・パブリクスの現状
・気候民主主義の事例
・デジタル民主主義の動き~IT を使った多数の意見の可視化
・熟議の方法と成果
場所:医学部 3 号館1F の講義室を予定(登録者には詳細を連絡)
対面のみ
日時:
第 1 回 2 月 18 日 ロトクラシーとは (山口晃人先生)
第 2 回 3 月 3 日 ミニ・パブリクス (徳田太郎先生)
第 3 回~ TBA
登録・申し込みは Google Form より: https://forms.gle/PkuMh4xcxr1Gy2Gk8
主催:東京大学医学部公衆衛生学教室
問い合わせ:hp-seminar-office〔at〕umin.ac.jp ※〔at〕を@に置き換えてください。