「イノベーションガバナンス エキスパート養成プログラム」2021年度募集要項
1.プログラムの目的
本プログラムでは、イノベーションの社会実装を進めるためのガバナンスの設計を、実践的に検討する。近年、技術革新はいまだかつてないスピードで進んでいるが、イノベーションの社会実装は、必ずしも順調に進展していない。この背景としては、イノベーションが正当な信頼を得て社会に受け入れられるための過程に多くの障害が存在することが考えられる。本プログラムでは、こうした様々な障害を乗り越えて、イノベーションによる正のインパクトを最大化する道筋をつけるため、プライバシー、安全性、公平性、多様性、持続可能性といった根本的な価値をめぐる議論と、これらとイノベーションを両立させるための「ガバナンス」の諸論点(ルール設計、プロダクトデザイン、組織マネジメント、アカウンタビリティ確保、紛争解決など)を学ぶ。法律・経営・哲学・システム工学・リスクマネジメントなど関連分野における世界の第一線の専門家から最新動向について講義を受けた上で、事例を取り上げ、受講者自身がガバナンスの仕組みを具体化する。民・官・個人といった様々なバックグラウンドを有する受講者同士が、それぞれの持ち場から全体最適を指向し議論を行うことにより、持続性のある形でイノベーションの実装や組織改革を実現するための考え方を身に付けることを目指す、実践的かつ実験的なプログラムである。
2.プログラム詳細
募集人数 | 20名程度 |
受講料 | 企業派遣:1口100万円(2名まで)(税別)
個 人: 20万円(税別) |
受講者 | 原則として、社会人経験10年以上の方。
法学、経済学、経営学、コンピュータサイエンス、システムエンジニアリング等(これらに限らない)、1つ以上の分野における専門的な知識又は経験を有することが望ましい。 |
原則オンラインで実施する。グループワークは本郷キャンパスまたはオンラインで実施する。
本プログラムは、以下の2つのコースから構成される。
A:グローバルエキスパート特別講座 | |||
概要 | 世界の第一線で活躍する講師を招いて行う、全4回にわたる特別講義。イノベーションガバナンスを考えるにあたって特に重要なテーマについて、グローバルの最前線で起きていることをゲスト講師に語っていただいた上で、本講義教員とのパネルディスカッション及び受講者との質疑応答を行う。講義は英語で実施し、同時通訳を付す。 | ||
時間 | 1回2時間 5回 計10時間 | ||
回 |
日時* |
テーマ |
招聘講師 |
0 |
9/4 10:00-12:00 |
オリエンテーション
‐本コース全体の狙いと構成、扱うテーマ等について担当教員から説明する ‐参加者同士の自己紹介を行い、交流を深める |
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1 |
9/11 13:00-15:00 |
技術によるガバナンス
-デジタル技術による複雑かつ高速な動作を適切にガバナンスするためには、ガバナンス自体に技術を活用することが欠かせない。ここではモニタリングやセキュリティにおけるAIの活用について議論する |
Daniel Seng氏:Associate Professor, Director, Centre for Technology, Robotics, Artificial Intelligence and the Law, National University of Singapore (https://law.nus.edu.sg/people/kiat-boon-daniel-seng/)
大柴行人氏:Robust Intelligence社共同創業者 |
2 |
1/22 10:00-12:00 |
新たな規制のアプローチ
‐デジタル技術によって複雑化する社会に対し、規制モデルはどのような変革を迎えるべきか。ここでは官民共同による規制のアプローチについて議論する
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Orly Lobel氏:Professor, School of Law, University of San Diego (https://www.sandiego.edu/law/ faculty/biography.php?profile_id=2844) Jolyon Ford氏:Professor, Associate Dean (International), College of Law, The Australian National University (https://law.anu.edu.au/people/jolyon-ford/) 他 |
3 |
2/5 10:00-12:00 |
デジタル市場における競争政策を考える視点
‐デジタル技術は、国境を越えた巨大市場の出現と、その中で人類史上類を見ない規模のデジタルプラットフォームの出現をもたらした。このようにグローバルで一極集中化が進む市場を、どのようにガバナンスしていくべきか。ここではデジタル時代の市場ガバナンスについて議論する。
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Daniel Francis氏:Climenko Fellow and Lecturer on Law, Harvard University, Furman Fellow at New York University School of Law
古谷一之:公正取引委員会委員長 |
4 |
2/11 16:00-18:00 |
デジタル技術による民主主義の実質化
‐社会全体でデジタル技術の実装を進めていくためには、既存の公共サービスがデジタルで提供されるだけではなく、合意形成や政策決定にもデジタル技術が最大限に活用される必要がある。すなわち、デジタル技術による民主主義の実質化である。ここでは日本の公共サービスを真に民主化するための示唆を得る。
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TBD
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* 日時、講師は変更する可能性があります。
B:「イノベーションガバナンス」講義 | ||
概要 | 公共政策大学院の開講講義だが、本プログラム参加者には受講資格が与えられる。(ただし、単位の付与、成績証明書の発行は行わない)
(詳細はこちらを参照)8/25更新 |
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時間 | 1週2時間、13週 計26時間 (土曜日)14:55~16:40(4限) | |
内容
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Class 1
10/2 |
講義:Why we need innovation governance? |
Class 2
10/9 |
講義:Case Introduction | |
Class 3
10/16 |
講義:Fundamentals of goals and risks | |
Class 4
10/23 |
講義:Designing innovation-friendly organization |
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Class 5
10/30 |
Workshop 1 – Goal setting and organizational design for the group projects |
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Class 6-9
11/6,11/20-12/4 |
講義:
(1) Role of Businesses (2) Role of the Government (3) Public-Private Relationship |
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Class 10
12/11 |
Workshop 2 – Governance Design for each Project | |
Class 11
12/18 |
講義:Citizen Engagement | |
Class 12-13
1/15, 22 |
Final Presentation and Feedback |
【プログラムコーディネーター・運営責任者】
・宗像直子 東京大学公共政策大学院教授
・羽深宏樹 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課ガバナンス戦略国際調整官・ 東京大学公共政策大学院非常勤講師
【招聘講師陣(五十音順)】
A:グローバルエキスパート特別講座
・大柴行人氏:Robust Intelligence社共同創業者
・大橋弘氏:東京大学公共政策大学院長・教授
・Daniel Francis氏:Furman Fellow at New York University School of Law
・Orly Lobel氏:University of San Diego教授
・Daniel Seng氏: シンガポール大学准教授、Center for Technology, Robotics, AI and the Law (TRAIL) 所長
B:「イノベーションガバナンス」講義
・石井芳明氏:経済産業省新規事業創造推進室長
・石山洸氏:株式会社エクサウィザーズCEO
・稲谷龍彦氏:京都大学法学政治学研究科教授
・馬田隆明氏:東京大学・FoundXディレクター(産学協創推進本部)
・大屋雄裕氏:慶應義塾大学法学部教授
・神谷渉三氏:株式会社I’mbesideyou CEO
・妹尾堅一郎氏:NPO法人産学連携推進機構理事長
・長井大典氏:独立行政法人情報処理推進機構デジタルアーキテクチャ・デザインセンター 自律移動ロボットプログラム サービスロボットプロジェクト リーダー
・藤代尚武氏:日本知財標準事務所 知財標準化事業部長
・増島雅和氏:弁護士・森濱田松本法律事務所
・松田洋平氏:内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室参事官
・松原豊氏:名古屋大学情報科学研究科准教授
・森下将宏氏:キビタス株式会社 CEO & Co-Founder
・渡部友一郎氏:弁護士・Airbnb Japan株式会社法務統括責任者
3.応募書類
・企業派遣:企業用申込書類
1) 受講申込書
・個人:個人用申込書類
1) 願書
2) 本プログラムを志望する動機
4.選考方法
書類にて選考いたします。
5.結果通知
選考の結果を電子メールにてお知らせします。
6.受講料の振込
ご指定の住所に振込依頼書をお送りします。記載の期日までに納付をお願いします。
7. 注意事項
‐本募集要項の記載内容は変更される場合があります。
‐提出された書類の返却、納付された受講料の返金には、いかなる事情においても応じられません。
‐応募により得た個人情報については、受講者の選考、選考結果通知、受講手続き業務、将来の広報のためにのみ利用します。
8.応募方法と書類提出先
書類を、PDFにしてEメールにてお送りください。
Email: igep[at]pp.u-tokyo.ac.jp ([at]を@に変えてください)
募集締切:2021年8月27日(金)17時
9.問い合わせ先
東京大学公共政策大学院 IGエキスパート養成プログラム 担当
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 国際学術総合研究棟1314
電話: 03-5841-0913
Email: igep[at]pp.u-tokyo.ac.jp ([at]を@に変えてください)