公共政策大学院では、「国際交通政策」の授業において、下記のとおり、「観光先進国を目指して~我が国の課題と政策の方向性~」というタイトルで、観光庁 田村 明比古長官よりお話を伺います。
近年、我が国の経済社会において、観光の存在感が増しています。経済面では、2017年に日本を 訪れた外国人観光客2869万人が消費した金額は4.4兆円余りと推計され、様々な地域、産業がインバウンドの効果を実感するようになっています。本格的な人口減少時代を迎えた我が国にとって、観光による交流人口の拡大は、成長戦略の柱、地方創生の切り札と考えられています。各国もそれぞれ、増大する世界の旅行需要を取り込もうと必死になっている中で、わが国の観光産業の国際競争力強化は急務であります。
一方、社会面では、街で外国人旅行者を普通に見かけるようになった一般市民にとって、生活環境に影響が及ぶようなケースも増えてきました。例えば、民泊を巡る騒音やゴミ出しのトラブルや、観光客が多い地域での交通渋滞などが多く報道されるようになり、各自治体にとっても悩ましい問題となっています。
本講義においては、世界各国がなぜ観光を重視しているか、国際観光市場において我が国が持つ強みと弱みは何か、今後我が国が目指す経済、社会のあり様に、観光はどのように関わっていくか、持続可能な観光を実現するためにどのようなことが必要かといった議論を通じて、我が国が抱 える観光政策の課題を概観し、今後の方向性について考え、この政策分野についての理解を深めていただきます。
履修登録学生以外の本学学生の聴講も歓迎しますので、聴講を希望する学生は直接教室に参集願います。
日時: 7月17日(火) 16:50-18:35
場所: 国際学術総合研究棟12階1213A
使用言語: 日本語